史上最安値の娯楽品。
就職活動の合間を縫って、本を購入。
いや、まぁ、本でも読まないとやっていけないのですよ。
それにしても本というのは紙とインクだけで構成されているのだからなんと安上がりなのか。物としての価値はとことん低い。そこに作者の知恵が吹き込まれることで一気に価値が高まるんだから、作家というのは物凄い。
・『天使のレシピ』:御伽枕(電撃文庫)
某所でオススメだったので購入。
今書いてる小説と似てる様な似てないようなプロットのカウンセリングもしくはヒーリングもの。正直びびった。
根底にあるのは恋愛。
どこかが欠けた人たちの恋愛模様。
恋愛はいつか終わりを迎えるっていう残酷な現実をいかに生き抜くか…そんな解のない問題の方式集かもしれない。
ま、独り身の僕が読んでると、延々とノロケを聞かされているような気分になって凹む。
でも、いい感じのお話なのではないでしょうか。
続きを書こうと思えば書ける連作短編型の小説だけど、これはこの1冊で十分。
作者には英断を期待したい。
そうじゃないとキーリとかダブルブリッドとか涼宮ハルヒとかその他モロモロになる。
・『夏期限定トロピカルパフェ事件』:米澤穂信(東京創元社)
米澤氏はますます神がかって行きますな。
見た目は腰の低いおにーさんなのに、書く内容はハイレベル。人間見た目じゃありません。
春期限定いちごタルト事件に続く『小市民シリーズ』そして掴むんだ、小市民の星を!と叫んでいたのもどこへやら、半年の充電期間を置いて、あの二人組が再び小市民らしからぬ行動に出ます。
今回は前作に比べて長編色が強くなった気がします。前作は短編集くさかったのが、今回は連作短編。しかもそれぞれの完成度が高いのだから、すごい。
米澤穂信に外れなし。
僕の好きな作家に乙一や本多孝好がありますが、外れがあることは否めない。でも、米澤には外れがない。
これからもあたり続けてくれることを期待します。
最後に一言。
小佐内さんはやっぱり最高。